| ＭＩＳＴＡＫＥ ＬＯＶＥ |
「ジュリアー」 さっきから何度も呼ぶ心地の良い声。 は！ だめだ、だめだ。 仕事仕事。 手にしている資料を持ちなおす。 「ジュリア〜」 子供をあやすように何度も呼ぶ声。 私は子供じゃない！！ …と思う…。 「ジュ…」 ぱたん。 手にしていた資料を仕方なく閉じる。 「マイ＝ロード…あの…仕事中です…」 「今日中じゃないんだろう？」 「それはそうですが…」 だが早めに済ますことは悪いことではない。 顔に出ていたのかマイ＝ロードは仕方ないなぁ、と呟くように苦笑した。 「俺、邪魔？」 そんなわけはないっ！！ …が、仕事は仕事…。 「とうとう嫌われたかなぁ…」 しくしく、などとわざとらしく口にしてソファから見上げてくる。 そんなこと絶対ないと分かっているくせに！ 「最近我侭だからなぁ…」 「…そうかもしれませんね」 私を甘やかすための我侭だとは知っているけれど。 なんとなく強がってそう言い返す。 「…………」 あれ？ 黙ってしまった…。 …冗談がすぎただろうか…。 「マッ…」 「じゃあ、愛しい？」 ………空白。 は！？ 何て言った？ 『愛しい』？ そんなこと聞くか、普通！？ あああ、言葉遣いが乱暴になってしまっている！！ あ、別に口に出してないか…。 そう言う問題ではない！！！ あ、いや自分で突っ込んでいる場合でもなくて。 こんな質問に答えろと言われても…。 「…ジュリアン…？」 不安そうに見上げてくる顔…。 私がどれだけそう言うことを口にするのが苦手か知っていて、その顔は卑怯です！！ 言葉にしたいのに声も出ない…。 「え、ええ…。それは、もちろん…」 顔を逸らして、たぶん耳まで真っ赤になっているだろうことを自覚しながらなんとかそう搾り出すと…。 「……そう…」 え？ 何故マイ＝ロードが寂しい顔を？ なにか間違ったことを言っただろうか…。 「やっぱり仕事中には迷惑だったかな…」 「え？」 そんなこと一言も言ってないのに…。 「あの？どうしてそんなに落ちこんでらっしゃるんですか…？」 困って、資料を机の上においてソファに近づく。 「え？だってうっとおしいんだろう？」 「は？」 うっとおしい？ 誰が、誰を？？ 「今、もちろんって言ったじゃないか」 『もちろん』？ 確かに言った…。 でもそれは…。 「あの、『愛しい？』と聞きませんでした…？」 「…………」 ………………。 「……『うっとおしい？』って聞いたんだけど…」 …………思考停止。 「…………」 「…………」 「ジュリア、…俺のこと愛しいの？」 微かに笑いを含んだいたずら小僧のような声。 「…………〜〜〜〜〜〜〜！！！！！！！」 顔から火が吹き出そうになるのを必死で押さえて、慌てて机の資料を手に取る。 「ジュリアー」 仕事仕事！！ 「ジュリア〜」 あやすような声。 「ジュ…」 「マイ＝ロード…あの…仕事中です…」 それだけ声を殺して搾り出した。 …が。 …あれ？ どこかで聞いた台詞…。 ゆっくり振りかえると、マイ＝ロードはにっこり笑って、 「今日中じゃないんだろう？」 と耳元で囁いた。 |
| ＥＮＤＬＥＳＳ？ |
ゲロ甘〜〜(#^_^#)ありがとうございます〜〜。
銀月様、下さるっつってから書かれるの早過ぎます！！
ひとり突っ込みするジュリアンが可愛らしいですぅ。
ところでゼザ君…あれ？珍しく名前が出てきてないですね…。
…マイ＝ロード君（笑）、もしかしてわざと言ってない？(^_^;)
（追加コメント)…銀月様曰く、わざとじゃないそうです。
…でもうちの主人公君だったらきっとダマシ…はっ、いえ、なんでもないです（笑）