小悪魔的禁断書

この禁断の書における呪文は、
全てのＹ染色体を有する者を破滅へと誘う究極の呪いである。
その効果は絶大でありながら未だ多くの謎に包まれ、
術者をも滅ぼす禁断の呪文でもある。
一度掛けられし呪いは二度と解かれることはなく、
また、いかなる呪文をもってしても回復させることは難しい。

よって我はここに禁断の呪文を封印する。
もし、この禁断の書を読み解く者があらば、
その者は破滅へと向かうことになるであろう。
この禁断の書を読み解いた瞬間から、
半永久的に小悪魔が汝の心に移り住むことを覚悟されるがよい。

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瞬殺高位呪文

【小さい】
　ある意味性別に関係なく有効である。
　男性に掛ける場合は、戦闘前の命中率が最も高くなる。
　唱え方は悪気なく「ちっちゃ〜い」と言うか、
　見下ろして鼻で笑いながら「小さいのね」と言う。
　これは唱え方によって想像以上の効果が現れ、効果も継続する。
　尚、女性の場合は瞬殺には至らない上、全く効かない女性もいる。
　中には逆切れする女性もいるので使用には注意が必要。

【早い】
　戦闘後のみ詠唱可能なため、ある程度自分のＨＰを失う。
　対象は男性のみ。女性に掛けても全く効果はない。
　当然、戦闘後の早い時期に使用するほど命中率が高くなる。
　唱え方はいろいろあるが、意外そうな感じで、
　あるいはガッカリしたように「早いんだ…」と言えば、
　高確率で瞬時に死に至らしめることができる。
　重ね掛けすることで、戦闘回数を重ねる毎に効果が上がり、
　最終的には戦闘回避が容易くなる。

【下手】
　オールマイティーな呪文である。
　戦闘中から詠唱可能であるが、戦闘直後が一番効果的である。
　施術後は戦闘不能にすることができる。
　但し、オールマイティーであるが故に術者も高い経験値が求められる。
　初心者は使用不可。
　唱え方は、ストレートに「下手くそ」と言うもよし、
　あるいはつまらなそうに「下手ねぇ」と言う。
　戦闘中、相手の術はまってしまっていると効果は半減する。
　次回の戦闘までの持続性は比較的薄いので、確実に仕留める事が肝心。

【入れて】
　状況が揃えば、女性が使い得る最強の瞬殺高位呪文となる可能性がある。
　戦闘中、ある程度直接攻撃を受けた段階で、「早く入れて…」と呟けば、
　それは【小さい】以上の効果をもたらすことになる。
　当然、直接攻撃はそ知らぬフリでやり過ごしておかなければならない。
　術者は相当な鍛錬と経験を積まなければ修得することが出来ない呪文である。
　しかしさりげなく唱えた時、期せずしてまぐれ当たりすることもある。

瞬殺補助呪文

【かわいい】
　この呪文だけではあまり効果はない。
　しかし、【小さい】と併用することで、絶大な効果を得られる。
　不慣れな者はかわいらしく「かわいい♪」と唱え、
　長けた者は溜息混じりに「ずいぶんとかわいらしいこと…」と唱える。

【まだ】
　戦闘中に「ねぇ、まだなのぉ」と白けた口調で言う。
　戦闘後の【下手】と併用することで、【下手】の効果が上がる。
　その他の瞬殺高位呪文との併用は不可。
　唱え方を誤ると【不感症】攻撃で切り返され恐れがあるので、
　使用には細心の注意を要す。

【役立たず】
　戦闘中、戦闘後に唱えると、瞬殺呪文の効果を倍増させる。
　瞬殺高位呪文は、この呪文に前もって唱えて置くのが望ましい。
　尚、戦闘以外でも詠唱可能だが、副作用が多い為使用は控えること。
　【小さい】、【早い】、【下手】、……、【役立たず】　といった具合に
　他呪文を畳み掛けるように連続で唱えた後、
　最後にこの呪文で詠唱を完結させた場合に、最も効果が上がる。
　連続呪文のすべてが成功した場合、相手は完全に再起不能になると言う。
　
　

攻撃呪文

【初めて】
　この呪文には２通りの使い方がある。
　（その１）
　　相手が初戦であることが絶対条件。
　　驚いたように「えっ！うそっ！初めてなの！？」と唱える。
　　更に「その歳で」と付け加えれば完成された型となる。
　　瞬殺には至らないが、相当なダメージを受けることは確実。
　　その戦闘に関してはほぼ戦闘不能にすることができる。
　　ダメージの度合いによっては治癒不可能な傷となって残る場合がある。
　（その２）
　　女性は自分に掛けることで防御呪文として使うこともできる。
　　但し使用できるのは歳を重ねた者のみ。
　　若輩者が使用した場合、逆に防御力を下げることになる。
　　呪文は戦闘前に「初めてなの…」と言えば、
　　大抵の者は尻込みし後退を始める。
　　術の成功率は歳を重ねた者で７０％程度。

【もっと】
　戦闘中に唱え続けることで、相手のＨＰを減らすことが出来る。
　当然自分のＨＰも減らすことになるので、ＨＰの少ない者には向かない。
　しかし確実に相手のＨＰを減らす為、長期戦で止めを刺しやすくなる。
　術者は呪文使用後の反撃、【淫乱】攻撃に備える必要あり。

防御呪文

【アノ日】
　女性専用の防御呪文。
　戦闘前にこの呪文を掛ければ、９０％の確率で戦闘を回避できる。
　中には回避不可能な戦闘もあるので、この呪文に頼るのは禁物。

戦闘補助呪文

【お姉さんが教えてあげる】
　戦闘前、戦闘中に唱える、相手を魅了する呪文である。
　経験、年齢ともに上級者である者しか唱えることは出来ない。
　但し、年齢は重ねすぎると効果が薄れる。
　成功すれば戦闘の間、相手を自在に操ることが可能。　
　詠唱時に、妖艶な笑みを浮かべると成功率が増す。
　この呪文の効果を完璧に引き出せた場合、
　その相手を生涯に渡り、下僕(しもべ)として使役する事が出来る。

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汝、封印されたき呪文があらば、この禁断の書に加えられよ。
さすればこの世に安らぎをもたらすことにであろう。