レディーランサー

♀ ・．.・．.ＢＡＴＴＬＥ１.．・.．・ ♂

　そこはバーンシュタイン王城の外。人目に付くことはない茂みの中。ピンクのお下げ髪が僅かに揺れる。久々に会えた恋人達の逢瀬が繰り広げられていた。長く熱い口づけの後、エリオットはルイセの髪を撫でながら、その耳元で愛の言葉を囁く。
「会いたかった…。」
「わたしも…。」
「ゴメン…なかなか抜け出せなくて。」
「ううん…いいの…わかってる…。」
そして目と目を合わせると、再び熱い口づけを交わす。エリオットにしがみつくルイセの手のひらに力がこもり、花びらのような唇からは甘い吐息が漏れる。自分の体をエリオットに預けるように密着させ、熱い吐息で囁く。
「…抱いて…。」
エリオットは何も言わずにルイセの首筋に唇を押し当てた。右手はルイセの細い腰を抱き、左手はまだ膨らみかけた柔らかな胸をまさぐる。ルイセは恥じらい身悶える。
　ふとエリオットの手が止まった。遠く微かに人の声がする。
『……か…』
「あ…。」
「エリオット君…？」
ルイセが潤んだ瞳でエリオットを見つめる。人の声は王城の中から聞こえてくる。
『……陛下…』
「抜け出したのがばれたかな…。」
「…。」
ルイセは離すまいとエリオットにしがみつく。しかし王城の中の声は否応なしに恋人達を引き離す。
『エリオット陛下〜！　いずこにあらせられますかぁ〜！』
「…ごめん、ルイセさん…。今日は戻るよ…。」
寂しげに言いながら、ルイセから離れようとするエリオットに、ルイセは無理やり口づけた。
「いや！やっと会えたのに！　お願い、私を抱いてって！」
ルイセはエリオットに覆い被さり、上着のボタンを外していく。露わになった胸元に舌を這わせ、エリオットの股間をまさぐる。
「…っ…ル、ルイセ…」
細やかなルイセの指の動きに、エリオットの口から熱い吐息が漏れる。
「…うっ…だめだ…皆が僕を…捜してる…。行かなくちゃ…っ。」
「…ん……一度でいいの…お願い…。」
「…時間が…くっ…。」
「…んんっ……大丈夫よぉ…すぐ済むわ…。エリオット君…早いからぁ…。」

　〜〜　爆死！　〜〜



♀ ・．.・．.ＢＡＴＴＬＥ２.．・.．・ ♂

　暗がりの中にあっても、月明かりは白い肢体を照らし出す。ミーシャは豊満な肉体を露わにしてベッドに横たわり、アリオストを誘う。
「来て…。」
「ミっ、ミーシャ君！」
アリオストはミーシャの胸に顔を埋めると、荒々しく揉みしだく。
「…っ…、せ、先輩…いたい…。」
「あっ…すまない。」
ミーシャの苦痛の呻き声に、アリオストは慌てて顔と手を離した。戸惑いがちなアリオストの様子に、ミーシャは心持ち驚いたような顔になる。
「もしかして…先輩…、初めてなんですか…？」
ミーシャの言葉にアリオストは動揺を隠せない。
「あ、いや、その…。書物での知識は充分にあるわけだが、何分にも研究一筋
　だったわけで、それにその…心に留めるような女性もミーシャ君に会う迄は
　いなかったわけだし…。」
しどろもどろのアリオストの言い訳が続く。ミーシャは冷や汗を流しながら喋り続けるアリオストの肩に手を掛けると、その額に口づけた。
「ミーシャ君…？」
戸惑うアリオストにミーシャは優しく微笑む。アリオストの肩に掛けた手は、アリオストの首筋を伝って両頬を包み込んだ。ミーシャの顔がアリオストへと近付き、アリオストの口を閉ざすように柔らかく口づけた。
「大丈夫。あたしに任せて…。」
「え…？」
ミーシャはアリオストを下にして跨ると、勢いを無くしかけた彼の逸物を手に取り、舌で舐め始めた。
「…くっ…！」
アリオストの声が漏れる。ミーシャの手慣れた愛撫は更に続く。
「ミーシャ…くん…き、君は…経験が…うっ…。」
喘ぎ声を出しながらアリオストがミーシャに問いかける。
「…くふっ…んっ…おじさまに…。」
「えっ！ま、まさか、学院長と…！？…はうぅ…くうっ…！」
アリオストは驚いて更に話を聞こうとするが、ミーシャのテクニックに翻弄されて声にならない。ミーシャはアリオストの逸物から顔を離すと、手で支えたままその上に跨り、腰を沈めてきた。
「んんっ…！　はうっ！　はあぁぁ…！」
ミーシャはそのまま上下に腰を激しく動かす。豊満な胸がアリオストの目の前でブルンブルンと揺れる。アリオストはその胸に手を伸ばし揉みしだいた。それに刺激されミーシャは更に腰の動きを早める。
「くうぅぅ〜！ミ、ミーシャぁ〜…やっぱり君はぁ〜…うおっ…！」
「あっあっあっ…！　よく…わからない…っ。
　だって…、あたしの記憶は…どこまで本物か分からないもの…。
　んあぁぁぁ〜！」
「…うっっ！……。」

　〜〜　昇天♪　〜〜



♀ ・．.・．.ＢＡＴＴＬＥ３.．・.．・ ♂

　父の死と共に知った真実は、２人に新たな選択を迫ることになった。赤の他人になるか、男と女になるか…。カレンは迷いはしなかった。これこそ自分が待ち望んでいたことなのだ。ゼノスは自分を妹としてしか見ていないのかもしれない。ならば女として見て貰うだけだ。カレンは鏡台の奥から何やら香水のようなものを取り出すと、シュッと胸元へ吹きかけた。甘い香りにクラリとし、瞳が潤んでくる。それはちょっとした媚薬だった。
　カレンはこっそりゼノスの寝室に忍び込むと、夜着を脱ぎ捨てベッドへと潜り込んだ。突然の侵入者に、ゼノスは驚いて飛び起きた。暗がりの中でそれがカレンであると認めると、ホッとした表情になったが、そのカレンが一糸纏わぬ姿であるのに気付き、後ずさった。
「カ、カレン！　何を！？」
驚くゼノスにカレンは抱きつき、思いの全てをぶつけた。
「兄さん！！　好きよ！愛してる！
　ずっと好きだったの。お願い、私を女にして！」
上半身裸のゼノスの逞しい胸に、カレンの柔らかな胸が押し付けられる。耳元にはカレンの熱い吐息がかかる。媚薬の甘い香りが鼻をくすぐり、ゼノスの性欲を刺激した。ゼノスの下半身は熱くなり、ムクムクとそそり立つ。そしてその勢いのまま、カレンを押し倒した。
「カレンっ！」
「あっ…兄さぁ〜ん！」
ゼノスはカレンの胸にむしゃぶりつき吸い上げる。無骨な手がカレンの秘所をまさぐる。ゼノスの荒々しい愛撫にカレンは身悶える。
「あうっ…！　あぁっ…！」
「カ、カレンっ…！」
ゼノスは鼻息を荒くし、そそり立ったモノをカレンの菊の花に押し当ててきた。カレンは熱い吐息を吐きながら、ゼノスに言う。
「あぁん…んんっ…に、兄さん…ちがう…そこじゃ…あはぁ〜…。」
「はぁはぁはぁ…いいんだ…あ、穴なら…どこだって…。」
「…っ！」

　〜〜　天誅！　〜〜



♀ ・．.・．.ＢＡＴＴＬＥ４.．・.．・ ♂

　「カール…。」
リビエラは若々しい肢体をくねらせ、姉オリビアの恋人カールへと迫った。
「リビエラ、よせ。こんなことがオリビアに知れたら…。」
「大丈夫よ。これぐらい。そんなに姉さんが好きなの？
　わたしだって、姉さんに負けないぐらい好きなのに！
　テクニックだって姉さんよりあるわよ。」
リビエラの指先がカールの胸元をツツっと滑り落ちてゆく。その指を追うようにリビエラの滑らかな舌先がカールの胸を伝った。
「うっ…リ、リビエラ…。」
「姉さんったら、いつも自慢するのよ。カールは最高だって…。
　わたしにも味見をさせてよ…。」
リビエラはカールに跨り、自分の股間をカールの股間にこすりつけている。その刺激にカールの股間は膨らみを増してくる。
「さあ、息子さんを拝ませてちょうだい。」
リビエラの手はカールのズボンのボタンを外し、中のものを取り出した。
　一瞬リビエラの動きが止まる。それからカールの息子を手でしごいたり、自分の股間でこね回したりしている。だが、再び動きが止まると、髪を掻き上げふと笑いを漏らして言った。
「ふっ…小さいのね。」
それはあくまで「想像していたより」という意味だったのだが、そんなことはカールには通じない。カールの息子はみるみる間にしぼんでいった。
「え…？　カ、カール？」
慌てるリビエラを振り向かず、カールは哀愁を背負って出ていった。そしてカールは二度と帰らぬ人となってしまった。それが敵に捕まったためなのか、それとも自ら姿を消したのか、未だ真相は闇の中となっている。
「…カール…。
　とうとうわたしを愛してくれなかった…。
　もう恋なんて……。」
カールの消えた山を見ながらリビエラの頬を涙が伝った。

　〜〜　傷跡〆　〜〜



♀ ・．.・．.ＢＡＴＴＬＥ５.．・.．・ ♂

　ウェインとシャルローネは久々に一緒の任務となった。それも２人だけの長期出張だ。超お嬢様のシャルローネは門限が厳しく、普段は健全なデートを迫られる。クラウディオス卿の目もあって、今日まで１泊旅行すらできなかったが、今回の任務は絶好のチャンスとなった。もう任務のことなど半分以上忘れて、ウキウキ気分の２人である。
　任務初日、日も暮れかかり、ウェインとシャルローネは小さな村の宿屋に泊まった。当然部屋は１つである。
「シャロ…。」
ウェインがシャルローネを抱き寄せる。シャルローネは恥じらいながら身をよじった。
「あ…隊長…。」
「『隊長』はよせよ。今は勤務時間外だ。」
「はい…ウェインさん…。」
ウェインは震えるシャルローネを抱き上げるとベッドへと運んだ。
「大丈夫だ。俺に任せて…。」
そう言ってウェインはシャルローネの服を１枚、また１枚と脱がせていった。露わになったまだ成熟しきっていない青い肢体に、そっと手を這わせてみる。その刺激にシャルローネは敏感に反応している。見かけよりも女として成熟しているようだった。
　ウェインは自分も服を脱ぎ捨て、シャルローネの体を隅々まで丹念に愛撫し始めた。
「んうっ…ふぅ…。」
シャルローネが漏れそうになる声を押し殺す。小さな安宿ではちょっとした声も隣の部屋に筒抜けだ。声を堪えるシャルローネの肌は上気し、より一層敏感になっていく。やがてシャルローネの秘所から蜜が溢れ出した。ウェインがシャルローネに囁いた。
「指…入れるよ…。」
シャルローネはコクンと小さく頷く。ウェインはシャルローネの足を押し広げると、蜜を滴らせる秘所に指を差し入れた。
「…んんん…っ！」
声を押し殺したままシャルローネが身悶える。その反応を見ながらウェインは指を動かす。抽挿を繰り返すウェインの指は１本から２本へ、そして３本へと増えていった。快感の波に悶え瞳を潤ませるシャルローネの痴態は、ウェインを欲情させる。耐えきれずにウェインは固く反り返った自分のモノを、シャルローネの秘所へ差し入れた。シャルローネの腹部が波打ち、柔らかく熱い秘肉がまとわりついてくる。ウェインはその快感を堪えてやり過ごすと、腰を動かし抽挿を始めた。その動きに合わせてシャルローネの声が漏れる。
「んっ…んっ…んっ…んっ…。」
ウェインの声も漏れる。
「はぁ…はぁ…はぁ…シャロ…シャロ…。」
ウェインの呼びかけに応えるようにシャルローネもウェインの名を呼ぶ。
「あぁ…ウェインさん…あなたを入れてぇ…はぁぁ…！
　いつまでも…指じゃいやぁ……あふっ…！」

　〜〜　撃沈〆　〜〜



♀ ・．.・．.ＢＡＴＴＬＥ６.．・.．・ ♂

　永い眠りから目覚めたアリエータは、ひとりルリハコベの花畑に佇んでいた。いつもなら側にいるはずのセレブの姿が見えない。どうしてしまったのかしらと不安になる。辺りを見回してはセレブの名を呼んでみるが返事はない。アリエータはとうとう自分は独りになってしまったのかと思いながら、寂しげに花畑の中に座り込んだ。そんな儚げなアリエータの姿を遠くからみつめていた人影が、ゆっくりと近付いてくる。
「お嬢さん、どうしたの？」
アリエータは声をかけられドキリとし、その人を見上げた。陽の光で顔はよく見えないが、薄紫の髪が揺れている。
「あの…、お友達とはぐれてしまって…。」
「探してあげましょうか？」
甘く優しい声にアリエータの胸の鼓動は高鳴る。まるで自分はこの人を待っていたような錯覚に囚われる。
「いえ…あの…あなたはどなた？」
「僕？　僕はオスカー。君は？」
そう言ってしゃがみ込んできた男の笑みに魅せられ、アリエータの頬が赤くなる。
「アリエータ…。」
そして見つめ合う２人が恋に落ちるのに時間はかからなかった…。

　明日には再び眠りにつかねばならなくなったその日、アリエータはオスカーに抱きつき囁いた。
「わたしに思い出を下さい…。お願い…抱いて…。」
オスカーは黙ってアリエータを抱きしめキスをすると、そのままルリハコベの花の中へと身を沈めていった。
　花畑が揺れている。若い恋人達がそこで愛し合っているのがわかる。やがてそこからアリエータの顔が覗き、裸身が半分現れ、大きく上下に動き始めた。
「ああっ！もっと、もっと、もっとぉ〜！！」
そう叫ぶアリエータの顔つきは心なしかきつくなっている。
「何をしている！もっとだぁ〜！！
　私はこの時を待っていた。お前の精力を全て私に寄越すのだぁ〜！」
やがて静かになった花畑には、燃え尽きたオスカーが転がっているだけだった。

　１年後…、おかげでアリエータはゲーヴァスアリエータとして目覚めるはめになったのである。

　〜〜　復活！　〜〜



♀ ・．.・．.ＢＡＴＴＬＥ７.．・.．・ ♂

　初めて迎える２人だけの夜。ホープは横たわるジュリアンの裸身を眺め、一言囁いた。
「きれいだよ…。」
ジュリアンは頬を赤らめ、身をくねらせ、両手で体を隠そうとする。ホープはその手を制すとまた囁いた。
「隠さないで…。君の全てを見ていたい…。」
そんな言葉はジュリアンを余計に恥ずかしがらせた。初々しいジュリアンの反応にホープの体は反応し、ムクムクとそそり立ってくる。それを目の当たりにしたジュリアンが目を見開いた。初めて男のモノを見た女は、大抵こんな反応をする。ホープはそんなことを考え、「見るの初めて？」と聞こうとした。しかしその前にジュリアンがボソリと言葉を漏らしたのだ。
「前に見たのと違うなぁ…。」
ホープの体が固まった。ホープは顔を引きつらせていたが、ジュリアンは自分が思わず漏らした言葉のことなど気に止めていないようだ。ホープと視線が合うと顔を赤らめ、体をくねらせまた隠そうとする。
（き、きっと、ダグラス卿のを見たことがあるんだ。
　子供の頃一緒に風呂に入ったとかして…。
　い、いや…、もしかしたら弟のかもしれない。
　うん、きっとそうだ。そうに決まってる。）
ホープは無理矢理自分を納得させると、気を取り直して再びジュリアンに向き直った。
　ホープはジュリアンの上に覆い被さると、熱い口づけを繰り返した。ジュリアンの吐息に熱が籠もる。ホープは体をずらしながら、ジュリアンの首筋から胸元へとキスをしていった。やがて辿り着いたふくよかな白い双房を両手で包み込むと、その尖った先端を口に含んだ。ジュリアンの体がピクリと震える。ホープはジュリアンの胸を愛撫しながら優しく囁いた。
「この胸に触れる初めての男になれて嬉しいよ。」
ジュリアンは吐息を漏らしながらそれに答える。
「んふぅ…触られたけど…しゃぶられたことは…ないから…んんっ…。」
再びホープの体が固まった。
（な、何だって…？　触られたことがある…？　だ、だ、だ、誰に…？）
混乱するホープ。もう、そこから先は何をやったか覚えていない。
　ホープがジュリアンの話の真相を知るのはまだ先のこと。それでも、コトが終わった後に腕の中のジュリアンに囁かれ、ホープにかけられた呪いは解けていた。

　皆の呪いを解く呪文はいつだってただ１つ。その呪文は…

　〜〜　愛してる　〜〜